もっともっと内へ

お正月の初詣、いつからか気付いた時には「世界が平和でありますように、家族が健康でありますように」とお詣りしていた。しかし世界はいつだって争いごとが絶えないし、永遠なる健康もない。自分では変えようもない現実がある以上、神様に願かけするのは良くない。そして今年も同じように拝殿で一礼している数秒の間に大きな気づきがあった。

そうだ、「自分が平和で健康であればいい」。

そんな単純なことにやっと気づいた。
世の中は自分の意思とは関係なく常に大きく流れている。その流ればかりを見ていると、心がブレたり違和感が生まれたりするのは当然のこと。もっと自分に向き合って自身の調和を意識する。そして少し周りとの関係を調和する。それでいいのだ。

右脳と左脳のあいだ

年末ということで事務所の掃除をしました。しかしどこを掃除したのか分からないようなカオス状態が常で、あれこれギュッと詰まった空間でたねもしかけもやってます。

今年を振り返ると、上半期に関わった「神水公衆浴場」が特に印象に残っています。大学同期の友人が新築した住居兼銭湯の現場なのですが、どういうわけか私は施工の現場監督として参加することになりました。普段は設計をしている身なので設計している人の気持ちが分かる、と同時に以前施工に携わっていたこともあり施工する人の気持ちもよく分かるという、複雑に揺れ動く共感のオンパレードでした。ちょうど empathy〈共感性〉について考えていたこともあり、異なるアプローチで考えられたアイデアや感情のようなものに思いを寄せて、他者を理解するためのトレーニングの機会だったのかと思います。こちらの案件は新建築住宅特集2020年9月号に掲載され、たねもしかけもも施工者として紙面に登場(!)、貴重な経験に関わらせていただきありがとうございました。

今年もみなさまお世話になりました。
どうぞ良い年をお迎えください。

山鳥わっしょい!

この冬初めての雪が降りました。
今日は記念すべき現場縄張りの日。
明日の地鎮祭を終えて、新月いよいよ現場スタートです。

今回設計に携わらせて頂いたのは、南小国町の 山鳥の森オートキャンプ場温泉棟。3年前、たねもしかけも初めての住宅設計でお世話になったご夫婦からの依頼です。令和2年7月豪雨で隣接する河川が氾濫し、建物含めキャンプ場内が水害に見舞われました。これは大変だと駆けつけて驚いたのは被害の大きさを上回る、ご家族のポジティブさでした。ご両親の代から20年愛されてきたキャンプ場を復活させ、さらに魅力あるものにしたいという熱い気持ちを聞けて、逆に元気をもらいました。

構想したのは、自然体に手入れされてきたこの自然環境をそのままザブンとお湯につかって享受する超自然体験。いずれは自然に同化して環境の一部となる建築。地元の素材と職人さんで実直に作り上げます。

今回、同時に進んでいるのがバンガロー棟。設計担当は 三舛正順さん。地元の木材を3D加工技術を使って組み立てるデジタルファブリケーションの取り組みです。森と生産、現場を最小の流通サイクルで繋ぐ新たな可能性があります。手で運べるサイズの部材を積み上げる構造なので、非専門家でもみんなで助け合って建設することができます。部材単位の寄付や、マンパワーの人的寄付など、色んな助け合いや社会福祉の場面にぴったりの建築になると思います。

こちらのバンガロー棟は現在クラウドファンディング中で、建設ワークショップにも参加いただけます。これは現場に立会いたいな、と感じた方には是非ご参加いただきたいと思います。

がんばれ山鳥!山鳥わっしょい!

山鳥の森キャンプ場新しい形の空間作りプロジェクトhttps://readyfor.jp/projects/yamadorinomori2020…

柿渋座はじめ〼

柿渋座ポスタ

この夏、小国町の坂本善三美術館で開催される「柿渋座」という展覧会に参加します。展覧会とはいっても何か作品を展示する訳ではなく、「柿渋を作る・塗る・染める」に参加して体験して頂く、もしくはその状況と空間全体を作品と捉えて鑑賞して頂くことになります。(「柿渋」という身近に使える技術を習得して頂ける良い機会ですので参加して頂くほうが断然オススメです!)

そもそも、140年以上前の古民家を移築して建てられた坂本善三美術館の壁には「柿渋」が塗られており、定期的なメンテナンスが必須でありました。ここは、手間ひまかけてメンテナンスする機会を与えてくれたと理解して、積極的に建物に関わって愛着を育てていくチャンスなのです。

懐古主義者ではありませんが、求めたいのは一昔前の昭和のあれ。そうです。年配者が幸せそうに語るあの世界。身近でローテクな技術や素材を用いて、ご近所のみんなで建築を作っていた世界。建築のプロと素人の境界、はたまた建築と美術を横断した幸せな領域に立ち入りたいと思います。

参加は無料、参加できる回だけの参加でもOKです。多くの参加者のみなさんと愉しい時間を共有したいと思います。ぜひご参加くださいませ。

 


「柿渋座」

第1回:ユニフォーム作り
2018年6月17日(日)午前10時~12時
染めたい服(ノリ抜きした白系の植物繊維が染まりやすい)を柿渋で染めます。柿渋作業は汚れ・シミを伴いますので、次回以降のユニフォームにしてもらうと良いです。Tシャツ、エプロン、手ぬぐいなどなどお好みのアイテムを染めてください。

第2回:柿渋塗り その1
2018年7月22日(日)午後1時~4時
坂本善三美術館の外壁に柿渋を塗ります。古い塗装を布で拭き取って、新しく柿渋を塗り重ねます。小さいお子さんは取り外した雨戸などを、大人の方には高いところなどを塗って頂く予定です。

第3回:柿渋採取&柿渋作り
2018年8月12日(日)午前10時~午後3時
まだ未熟な青い渋柿を採って、柿渋を作ります。これで本当に出来るの?というぐらいシンプルな作業です。実は、1年前に作った柿渋が坂本善三美術館のどこかに貯蔵されています。お昼をまたいだ1日作業です。お弁当をお忘れなく。

第4回:柿渋塗り その2
2018年8月26日(日)午後1時~4時
前回の続きを塗ります。前回も経験された方は自慢げにご指導ご協力お願いします。暑くても直射日光に当たらないように工夫しますのでめげずにご参加ください。

第5回:柿渋塗り その3
2018年9月29日(土)午前10時~午後4時
柿渋塗りの最終回です。どこまで仕上がるかは参加者のみなさんの腕にかかっています。最後はみんなでごはんを囲みたいと思います。ビール!ビール!

問い合わせ&会場:
坂本善三美術館
熊本県阿蘇郡小国町黒渕2877
0967-46-5732
http://sakamotozenzo.com/

「柿渋座」Facebookページ
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そして3年目へ

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今日でたねもしかけもという活動を始めてから2年が経ちました。

建築にまつわることを地域の人々と会話しながら頭で考え手足を動かし、阿蘇小国のこの土地でなにが出来るのか模索する楽しい日々でした。
有難いことに良い縁にも恵まれまして1万人程の小国エリアに限定してお仕事させて頂くことができています。

いま、0.5坪ほどのとても小さな建築に取り組んでいます。きっと世界一小さな建築ですが、万人に広く開かれています。私たちを取り巻く土地の風景は、長年の暮らしのなかで伝統的に行われてきた無意識のしきたりやふるまいの積み重ねで成立しています。その風景に参加するための最適解はなんなのか、そんなことを思考しながら進めています。

3年目も、広く普遍的なテーマを身近な環境で地道に実行していきたいと思います。どうぞ今後とも宜しくお願いします。