小国町出身の画家・坂本善三さんの作品を所蔵・展示する坂本善三美術館で、「コレクションリーディング」という企画があり、「床A」というプロジェクトで参加させて頂きました。善三さんがヨーロッパで建築物を見て、水平垂直の構成に感動し描かれたという「壁A」という油絵の作品に対する私のレスポンスです。
このプロジェクトでは、座ってくつろいで鑑賞することが出来るものを、近隣の日常生活に既にある要素で構成することをテーマとしました。町内のくつろぎの空間をきょろきょろと探す日々でした。会期が近づいたある朝、近所を散歩していた時に発見したのがこの三輪車です。この三輪車は農家さんがサツマイモの苗を植え付けるときに使う農具として自作されました。苗を乗せて、椅子に座って畝にまたがり、楽な姿勢で作業できるよう、必要に応じて工夫が凝らされた最適な道具です。ですが、見慣れぬ姿に驚きと、座った時の楽しさを与えてくれます。
今回私は新たにつくっていません。ただただ磨いてお化粧して善三さんの絵の前に置きました。最大の敬意を持って、土地に発見するということをしました。日常の延長線上のとても楽しいプロジェクトでした。
今回プロデュースとアドバイス頂きました美術家の藤浩志さんと、きっかけをくださいました学芸員の山下さん、サポート頂きましたそして美術館スタッフのみなさま、そして一緒にそれぞれのプロジェクトで参加されたメンバーのみなさま、どうもありがとうございました。ゆるやかな作品が多く楽しめる展示になっております。お近くの方は是非どうぞ足を運ばれてください。
藤浩志と小国び塾が作る善三展
「こんな解釈ありなんだ!」
会期: 2017年9月16日―11月26日
会場: 坂本善三美術館
熊本県阿蘇郡小国町黒縁2877
ブログ:小国び塾活動日誌